慰安婦の問題については、宮沢内閣のときに河野談話が出され、軍の関与が明らかになっている。これはやっぱり責任がある、これは決着をつけなければならないということは3党の皆さんも共通の認識をもっていました。だから内閣としても十分対応する必要があるというふうに考えておりましたからね。だからそういう背景があって、慰安婦問題の取り組みは具体的になってきたということですね。
具体的な取り組みになりますと、慰安婦に対する認識、理解のちがいもあって、なかなか意見の一致は難しかった。自民党の場合には、これはもうすべて平和条約で決着がついている、法的に解決ずみの問題なので、今更繰り返すことはできないという主張でした。それに対して社会党は国の責任だから、国が補償する必要があると主張したので、議論が対立した。特に官僚は「もう済んでいる問題です」というので、平行線になり、意見がなかなか一致しなかったんです。
しかし、これだけ国際的な問題になっているし、これはふたをすることはできない問題ではないか、何らかの打開をすべきだというので、議論を重ねた結果、国もやる、そして国民にも参加してもらう。だんだん戦争が風化してきているような状況の中で、戦争を知らない皆さんにも過去にこんなこともあったのかということを知ってもらういい機会でもあるから、国民も参加してもらって、慰安婦に対する政府の道義的な責任を果たすために償い事業をやろうではないかというので、基金がつくられたということです。
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