デジタル記念館慰安婦問題とアジア女性基金
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 基金設立と活動の骨格づくりにかかわった人々
 

河野洋平

元内閣官房長官・衆議院議長
1937年生。1965年自由民主党入党。67年衆議院議員。85年科学技術庁長官。93年宮沢内閣官房長官。河野談話を発表。94年自由民主党総裁、95年外務大臣。2004年衆議院議長。

河野洋平氏
 
 

 それで、宮沢内閣で私は官房長官として8ヶ月ほどお仕えしたんですけれども、その間にしょっちゅう国会で、調査は進んだのかということを質問され、誠心誠意調査をしておりますと言い続けた。調査は随分いろいろとやりましたけれども、慰安婦の募集の経過についてははっきりとした答えがでない。当時の資料を発見しようと努力をしたわけですが、それがなかなか見つからない。
 それで文書資料を見つけることも大事だけれども、いわゆる慰安婦だったという方から聞き取り調査を丁寧にやる方がいいということで、韓国で聞き取り調査をやることにしたわけです。・・・
 そうして話を聞いてみると、それはもう明らかに厳しい目にあった人でなければできないような状況説明が次から次へと出てくる。その状況を考えれば、この話は信憑性がある、信頼するに十分足りるというふうに、いろんな角度から見てもそう言えるということがわかってきました。一方では資料面での裏づけが十分ではないということがあって、さあどうするかという話になったんですね。談話を発表するにはなかなか難しい状況であったのは、やっぱり一つはそれはもう幾ら資料を探しても、そういう命令をしたというような資料はできるだけ残したくないという気持ちが軍関係者の中にはあったのではないかと思いますね。ですからそういう資料は処分されていたと推定することもできるのではないかと考えられます。総合的に見て、こうだということを言うことが難しい状況ですが、これ以上、時間をかけていいかというと、それはなかなかそうもいかない。・・・
 しかし私自身はそういうことではなくて、これはやっぱり人間として、それから女性の立場からいって、きちんとして差し上げなければ、もうそれは表現は悪いんですが、死んでも死に切れないだろうというふうに私は思って、これはどこかでけじめをつけようというふうに思っておりました。・・・私はみんなの説明を聞いて、わかった、官房長官談話を出そうと決心したわけです。
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