一番最初に出てきた問題が、請求権問題は解決しているということです。これが大きな前提となり、そのこととどうすり合わせるかというので、外務省からいろいろ資料をもらったり、議論もしたりしました。請求権問題は終わっているといっても、もっとなにか考える余地はあるだろうというように、その前提から離れていくわけです。
・・・ものすごく印象的だったのは、慰安婦に対して200万円か、もうちょっと多かったか、それを国が予算で手当てしてあげてしまえばいいではないかという意見が非常に強かったことです。政府部内の検討にはいろいろなことがありましたが、あるときは五十嵐官房長官から、こんなものはダメだと言われて書類をボンと放られたこともありました。
外政審議室は苦しみ抜いて最後に今の骨格の基金をつくることになりました。その基金を下支えする仕組みに予算を入れるのは構わない、直接にお渡しする分は国民から寄付を募って、差し上げるということでどうかという考えになったわけです。
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